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糖尿病と睡眠障害について


糖尿病と睡眠時間は関連性があります。特に血糖と深い関わりがあります。また近年睡眠不足が糖尿病の発症リスクが高いこともわかってきました。



※ 不眠の訴え


日本人の5人に1人が不眠の症状があるようです。特に高齢になるにつれてその割合も増えています。また糖尿病患者にいたっては不眠の症状は約30%〜40%と健常な方よりも多いようです。


以下の症状はありませんか?


・なかなか寝付けない。
・夜中に目が覚める。
・よく眠れない。
・朝早く目がさめる。

このようなことが長く続くようであれば検査をした方がいいかもしれません。



※ 睡眠時間と糖尿病の関係


糖尿病の判定基準にヘモグロビンA1cの値が使われるのはご存じと思いますが毎日の睡眠時間によって値が高くなるようです。


・6時間以内の短い睡眠
・9時間以上の長い睡眠


上記睡眠時間の方は改善が必要です。


海外の報告ですが糖尿病発症に睡眠時間が関係していることがわかったようです。

平均睡眠時間が7時間の方を基準に考えた時に平均5時間以下で約2倍、逆に平均8時間以上で約3倍の糖尿病発症リスクが高くなるようです。


なぜ睡眠時間が糖尿病に影響するのでしょうか。以下のことに影響するようです。


1,糖の代謝が変わる。

健常者が睡眠不足を続けると朝食後の血糖値が上昇する。しかし同じ方に十分な睡眠を心がけさせると食後の血糖値上昇は回復したようです。つまり睡眠不足だと耐糖機能が悪化するようです。

これは細胞での糖の取り込み、肝臓の糖放出抑制低下、初期インスリン分泌反応低下が影響しているようです。


2,ホルモン分泌が変わる。

睡眠不足が続くと成長ホルモン、コルチゾールノルアドレナリンなどのホルモン分泌が増加します。これらのホルモンは血糖、心拍数、血圧を上げ消化の働きを押さえて体を活動モードにする交感神経に働きます。そのため耐糖機能が悪化するようです。


3,食欲が促進する。

睡眠不足になると食欲を制御するレプチンというホルモンの分泌を減少させます。その逆に食欲を促進するグレリンというホルモンの分泌を増加させます。つまり睡眠不足になると空腹感が強くなり食欲をかき立ててしまいます。

また妙に炭水化物が食べた配る傾向が強く、肥満や糖尿病になりやすく気をつけなければいけません。


4,体内時計が乱れる。

人間の体は24時間周期の体内時計があります。体内時計は一日の太陽の光や温度によって環境に対応していくために必要なものです。朝目を覚まし、夜眠くなる覚醒と睡眠のサイクルや食欲、血圧、体温調整、ホルモン分泌などの周期パターンは体内時計によってコントロールされているのです。

最近は夜型の人が増えたので時間に関係なく行動、食事をしているのでいつのまにか体内時計の狂いが生じて十分な睡眠がとれなくて糖や脂質の代謝が乱れ過食、肥満、高血圧、メタボリックシンドロームなどが発症しやすくなっているのです。



ここまでで睡眠の重要性はお分かりだと思います。しかし睡眠時間だけが重要ではないのです。


※ 睡眠の質について

睡眠は時間もですが質も重要になってきます。睡眠はノンレム睡眠とレム睡眠があります。これらは約90分のサイクルで繰り返されています。通常は25%がレム睡眠でその他がノンレム睡眠です。睡眠時間を変えずに深い眠りを妨げると睡眠の質が低下して糖代謝も低下するので睡眠の質も糖尿病予防や治療にも影響があるようです。


※ 睡眠は治療にもつながる

生活習慣病の予防や治療に重要なのは食事と運動なのですが睡眠の量や質も糖尿病の発症や肥満の原因になることがわかります。しかし現在の社会状況で適切な量の睡眠をとるこたはなかなかできなくなりました。睡眠障害は高齢者だけでなく子供たちや働き盛りの人たちにも多くみられます。睡眠の量と質の低下で生活習慣病の引き金になる可能性が高いので注意が必要です。

それでは睡眠の量と質を確保するためにはどうしたらいいか考えてみましょう。


夕食後から寝るまでの時間を見直します。またなかなか寝付けない人は寝る前に自分なりのリラックスタイムを作ることも大事です。長い時間続けて眠れない方や早く目がさめてしまう方は体内時計を意識してみましょう。日中には日光を浴びて活動量を増やしましょう。


もう一つ大事なのは朝食を摂ることを含めた規則正しい生活をすることです。


睡眠の量と質が生活習慣病予防や治療につながることを再度認識して健康的な生活をしていきたいです。


用語
コルチゾール
ノルアドレナリン

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