>

 


食事療法

カロリーと栄養バランスに気をつけましょう。

糖尿病の治療の原点のひとつは毎日の食事療法です。

糖尿病治療の中で食事療法は基本中の基本です。しかし極端に節食や我慢をすると長続きしないので無理をせずに出来るところからはじめていきましょう。


1、食事療法のメリット
食事療法を正しく行うと薬物療法、運動療法の効果も向上します。2型糖尿病の方は食事療法だけでも糖尿病の改善が向上されると聞いています。


2、食事療法の注意点

食事のタイミングを守りましょう。
1日3食、規則正しく決められた時間に食べる努力をしましょう。また食事の間隔を十分に取ることにも気をつけましょう。

カロリー摂取量を守りましょう。
必要以上に食べることを控える努力をしましょう。おなかはいつも八分目を心がけて栄養士さんなどに指示されたカロリー量を守りましょう。おなかいっぱい食べないことです。

食品の栄養バランスを考えましょう。
栄養バランスを考えた食事を心がける努力をしましょう。
(炭水化物、たんぱく質、脂質、ミネラル、食物繊維、ビタミンなど)


3、食事療法でやってはいけないこと

早食い
満腹感を感じにくく、食べ過ぎになります。

食事の回数が少なく1食でたくさん食べる。
膵臓への負担が大きくなり、糖尿病を進行させます。

寝る前に食べる。
食事をしたら2時間以上経ってから寝るように心がけましょう。

間食を食べる。
間食を食べると食後の血糖値が下がらなくなります。食後2時間経ってからようやく下がってくる血糖値をふたたび上げてしまうため高血糖状態が持続されます。高血糖状態が長く続くと糖尿病を進行させてしまいます。

高脂肪食を好んで食べる。
欧米型の高脂肪食は血糖値が下がりにくいと聞いています。食後の高血糖状態が長い時間続くため血糖値が下がらないまま次の食事を摂ることになりかねません。


4、1日に必要なエネルギー量を把握しましょう。

1日に必要なエネルギー量は身長、体重などで個人差があります。まずは1日に必要なエネルギー量を調べましょう。以下の手順で調べることが出来ます。骨格などにもよりますがこの方法はおおよその値が調べられます。

(1)標準体重を確認しましょう。(計算式)

身長(m) × 身長(m) × 22 = 標準体重

 例 身長が165cmの人
 1.65 × 1.65 × 22 = 約60(kg)


(2)1日の活動量を確認しましょう。(体重1kgに対する必要なエネルギー量)

・安静の方 20kcal
(寝たきりのお年寄りや安静の入院患者など)

・室内の方 25kcal
(重度の糖尿病や肥満の方で室内で過ごす方であまり動かない方)

・軽労働の方 30kcal
(デスクワークや専業主婦などで動きの少ない方)

・中労働の方 35kcal
(立ち仕事の多い職などの方)

・重労働の方 40kcal
(肉体労働やスポーツ選手など)

上記を参考に1日のおおよその活動量が確認できます。


(3)1日に必要なカロリー量(計算式)

標準体重(kg) × 活動量(kcal) = 1日に必要なカロリー量

 例 標準体重60kgの方で立ち仕事が多い方
 60 × 35 = 2100(kcal)

1日におおよそ必要なカロリー量はここまでで大体把握できたと思います。食事療法で大事なのは1日に必要なカロリー量もですが食品の栄養バランスも考えないといけません。次に栄養のバランスについて考えてみましょう。


5、3大栄養素バランスよく食べましょう。またビタミン、ミネラル、食物繊維も忘れずに食べましょう。

3大栄養素
・炭水化物 (55%〜60%)
・脂質 (20%〜25%)
・たんぱく質 (15%〜20%)

栄養素 食品
炭水化物 米、いも、パン、とうもろこし、果物など
脂質 バター、マヨネーズ、油脂など
たんぱく質 魚、肉、卵、チーズ、大豆、牛乳など
ビタミン、ミネラル 野菜(なす、キャベツ、トマト、ピーマン)海藻、きのこ
食物繊維 海藻、きのこ、さつまいも、野菜類

バランスよく食べるように心がけましょう。とくに3大栄養素は毎食食べることが出来たかチェックしましょう。

6、日本糖尿病協会発行の食品交換表を活用しましょう。

簡単に適切な量で栄養バランスを考えた献立が出来るようにと考えられて作られたのが食品交換表です。食品交換表は80kcalを1単位と計算して1日の食事のカロリー量と栄養バランスなどを簡単に把握することが出来ます。

1日1600kcal必要な方は20単位として計算されます。

主な食品の1単位は以下のようになります。
・ごはん(50g 普通茶碗半分)
・食パン(30g 1枚の半分)
・そば(60g 1人前の半分)
・うどん(80g 1人前の3分の1)


毎日の献立に変化がないと食事療法が長続きしなくなります。食品交換表は食品を交換することによりいろいろなバリエーションの献立を考えることが出来ますし、食材の栄養素を把握するためにも普通の書店にも売っていますのでぜひ手に入れておきましょう。





   糖尿病と楽しく生活